サステナビリティ

研究開発

研究開発

ZOZOグループは、先端テクノロジーを活用し新たな価値を創造するため、2021年に研究開発機関「ZOZO研究所」とR&D部門である「MATRIX」を中心とした組織、株式会社ZOZO NEXTを発足しました。研究機関であるZOZO研究所は、「ファッションを数値化する」というミッションを掲げています。ZOZOグループが保有するファッションに関する膨大な情報資産を基に、ファッションを科学的に解明するための研究開発をおこなっています。また、研究結果を活かし、AIを活用した取り組みやサービスも展開しています。

関連リンク
ZOZO 研究所「Our Mission」

研究結果を活かしたサービス事例

ZOZOグループは、ZOZO研究所での研究結果を活用し、新たな技術の開発や当社の既存サービスに活かしています。

服装の個別アイテムの特徴に注目して曖昧なファッションの表現をAIが自動で解釈する技術を開発
ZOZO NEXTと早稲田大学の研究チームは、曖昧なファッション表現をAIが解釈する技術を開発しました。これにより、ファッションに関するユーザーのあらゆる選択・行動を支援しています。

ZOZOSUITなし計測を導入!事業者向け計測業務効率化サービス「ZOZOMETRY」を正式ローンチ
当社が開発した「ZOZOMETRY」は、ZOZOSUIT(※)の有無にかかわらず、スマートフォンで身体をスキャンして高精度な3Dデータを生成します。計測データは管理ツールで一元管理でき、採寸業務の効率化やコスト削減に貢献します。オーダーメイド服や研究開発分野での導入が進んでおり、今後はフィットネスや医療などの分野への展開も予定しています。
(※)3D計測用ボディースーツ

混合整数最適化でスケジューリング問題を扱うテクニック〜カスタマーサポートのWFMを例に〜
ZOZO研究所は、ZOZOTOWNのカスタマーサポート上のタスク割り当て問題を例に、混合整数最適化を活用したテクニックとして、処理能力不足のペナルティ最小化、タスク最低継続時間制約、2段階最適化を紹介しています。

「似合う」が見つかる超パーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO」、AIが生成したコーディネート画像をもとにスタイリング提案
当社は、独自のAIとプロのスタイリストの知見を融合した超パーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO」を2022年5月にオープンしました。この「niaulab by ZOZO」体験者は、ZOZOTOWNへの訪問頻度は約1.5倍に、さらにZOZOTOWNでの購入金額は約2倍に増えたことが分かっています。
※2023年2月~2024年4月の体験者約1,000人の体験後30日間の行動分析データから算出。応募時の新規および休眠会員を除く。

研究成果

AI技術の研究開発などに取り組んでいます。

ZOZO研究所、Web・データマイニング分野のトップカンファレンス「The Web Conference 2025」にて論文採択
ZOZO研究所は、オンラインでの購買行動時に、ユーザーがパーソナライズされた推薦対象アイテムの「どこを気に入って、どこを気に入らないのか」を予測する、説明可能推薦タスクのためのデータセットの構築と、評価指標についての提案をしました。本技術の活用により、ZOZOTOWNなどのECサイトにおける購買時のミスマッチを低減できると期待されています。

ZOZO研究所、AI分野のトップカンファレンス「ICLR 2024」にて論文採択
ZOZO研究所は、統計物理学の平均場理論を深層距離学習に応用し、データ間の類似度学習を効率化する新しい損失関数の研究をおこないました。本研究では磁性体の相互作用の考え方を取り入れることで、より単純で効果的な損失関数を設計し、画像検索や推薦システムの精度向上を確認しています。

SIGGRAPH Asia 2024 Technical Communications
ZOZO研究所は、マルチモーダル大規模言語モデルGPT-4Vを用いて、ファッション美的評価の有効性を検証しました。数百人規模の人間の評価データセットを用い、GPT-4Vの評価結果と比較したところ、同モデルは人間の評価と一定の整合性を持つことを確認しています。

オープンイノベーションの推進

ZOZOグループは、学術界や産業界への積極的な技術貢献をおこなうとともに、より利便性の高いサイトの構築とサービスの向上を目指し、研究開発に努めています。

ZOZOTOWNのファッション推薦データとアルゴリズム研究開発基盤をオープンソースとして公開
ZOZO研究所は、大規模ファッション推薦データと実装基盤となる「Open Bandit Data & Pipeline」をオープンソースとして公開しました。Open Bandit Dataは、ZOZOTOWN上での実際の推薦アルゴリズムから取得された2,600万件超のファッション推薦データです。併せて公開したPipelineは、新しい施策・アルゴリズムを実サービス環境に導入した際の性能を信頼性高く予測し、その正確さの検証も行うことができる基盤実装となっています。

大規模コーディネートデータと流行変化検証の実験基盤をオープンソースとして公開
ZOZO研究所は、分布シフト研究の発展を支える新たな研究基盤として、保有する実データで構成された大規模データセット「Shift15M」と実装基盤をオープンソースとして公開しました。本実装基盤により、コーディネートデータの年ごとに異なる傾向を認識し、その変化によって生じるデータの分布シフトを再現実験で確認することが可能です。これによって、年々変化するファッションの流行をより正確にとらえ、研究の更なる発展に役立てることができます。

外部パートナーとの協働

ZOZOグループは、企業や大学、研究機関などさまざまな分野のパートナーの皆様と協働して、社会課題の解決に取り組んでいます。

ZOZOSUIT®を用いた側弯症検知
当社は、東京大学との共同研究により、当社が開発した3D計測用ボディスーツZOZOSUIT®と検証用に開発した専用のスマートフォンアプリを用いて、主に若年世代の治療を要する可能性のある中等症以上の脊柱側弯症を検知することに成功しました。本成果により、脊柱側弯症を自宅でセルフスクリーニングする新たなツールの実用化への貢献が期待されます。

ZOZOテクノロジーズが東京大学、株式会社 細尾と意匠を拡張する機能性テキスタイルに関する共同研究を開始
ZOZO NEXTは、東京大学大学院情報学環筧康明研究室ならびに株式会社細尾と共同で、西陣織の高度な技法と最新のインタラクション技術を組み合わせ、環境変化やコンピュータ制御に応じて意匠や特性が動的に変化する新しいテキスタイルの創出を目指しています。

株式会社ZOZO、米イェール大学との共同研究を開始 経済学の応用によって、ZOZOTOWNの顧客価値最大化を狙う
当社は、米イェール大学と共同で、ZOZOTOWNのサービス機能拡充と顧客価値最大化を目指す研究を開始しました。計量マーケティングや実証産業組織論などの知見と、ZOZOTOWNのデータを活用し、顧客インセンティブや心理を深く理解することで、ユーザーごとに最適なコミュニケーションを実現します。

論文受賞歴

第27回情報論的学習理論ワークショップ(IBIS2024)優秀プレゼンテーション賞
ZOZO研究所が研究をおこなった「引力と斥力を制御可能なべき集合上の分布族」が、理論機械学習分野で国内最大の学会である第27回情報論的学習理論ワークショップ(IBIS 2024)において、優秀プレゼンテーション賞を受賞しました。

第42回事例研究賞
ZOZO研究所の研究員による発表「物流倉庫拡張後の拠点間輸送を最小化する在庫配置」が、オペレーションズ・リサーチ学会において第42回事例研究賞を受賞しました。※本研究は、2020年3月〜6月頃にかけて実施した当社内のプロジェクトについて、2021年9月に同学会、秋季研究発表会内で開催された企業事例交流会にて研究発表したものです。