スタッフインタビュー

河路 潔

Kiyoshi Kawaji / CDO Office
他者視点発想で、
世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。

Interview

課題を考え、解決できる環境へ

デザイナーとしてのキャリアを歩む背景には、美術という存在がとても身近だった少年時代が関係しています。

私の父は美術好きで、小さな頃から、よく美術展に連れていってもらっていました。自分から興味を持ったわけではないものの、美術は私にとって身近な存在だったのです。「学校の宿題には手を付けないけれど、美術の課題だけは進んでやっている」というのが日常茶飯事でした。

進路を選択する際も、やはり美術が大きく影響しています。美大に進学するつもりで予備校に通っていたのですが、そこで日本を代表するグラフィックデザイナーである田中一光さんの作品集を目にし、衝撃を受けたのです。

「いつか自分も、こんな作品を作りたい。そのために、グラフィックデザインを学ぼう」と決意し、グラフィックデザインを専攻することを決めました。

大学卒業後は、大手広告代理店に就職しました。学生時代、私たちが所属していた学科ではアートディレクターが人気職種で、私も学んだグラフィックデザインを武器にアートディレクターを目指していたからです。

そういった純粋な欲求から、新卒入社した広告代理店には丸4年ほど勤め、ポスターづくりやCMの企画、広告賞の審査員……と、あらゆる経験をさせていただきました。クリエイターとしての能力を高められる環境であり、学生時代に夢見ていたアートディレクターとして働けたことに、心から感謝しています。

それでも転職を決意したのは、課題解決や問題提起が自分の好きな仕事の領域でありデザイナーの本分と感じたためで、「仕事の発生源」に近づこうと思いました。

課題解決という点では、広告代理店は企画の最上流に携わることが比較的困難です。コンサルティング会社のような役割を担える広告代理店であれば話は別ですが、基本的にはクライアントのオリエンテーションを受けるところから仕事が始まるので、オリエンテーションの時点で手を加えたいポイントがあったとしても、そのオリエンテーションを飲み込み、最適解を目指しクリエイティブジャンプさせるしかありませんでした。
例えば、ある商品のPRをする際に、「クライアントが提示する商品の魅力」と「自分を含む生活者が感じる商品の魅力」にズレを感じることがあっても、自分の立場ではどうすることもできないことが多くありました。

広告代理店のジレンマを解決するためには、広告代理店にとってのクライアント側、つまりメーカーや事業会社に転職する必要があったのです。

数ある選択肢の中でZOZOを選んだのには、もう一つ理由があります。

それは挑戦的なカルチャーを感じ取れたからです。「ZOZOSUIT」のような計測テクノロジーを筆頭に、革新的なサービスを生み出し続けるZOZOのスタイルは、デザイナーの好奇心とクリエイティビティをくすぐるものでした。

私が知る限り、ZOZOは「機会に恵まれた環境で、チャレンジングに働き続けられる会社」の第一想起だったのです。

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様々な企業と伴走して得た“視野”が武器になる

現在は、「ZOZOTOWN」のプロモーションを企画・制作する、CDO室 プロモーションデザイン部 企画1ブロックに所属しています。

業務内容は幅広く、「ZOZOWEEK」といった大型施策の企画から、テレビCMのディレクション、バナーやLPのデザイン制作まで多岐にわたります。

最初からユーザーの方を向いてクリエイションに打ち込めるZOZOは、クリエイターにはありがたい環境です。また、自分が携わった企画の結果がすべて、データに反映されるのも恵まれていると思います。

前職時代は、自分の手がけた企画がどれほどの人に影響を与えられたのかが正確に分からない案件が多かったものの、ZOZOはEC事業を運営しているという特性上、結果が数字で表れる。それはユーザーから直接フィードバックを受けているようで襟を正される場面もしばしばあります。

もちろん、広告代理店の経験がムダだったとは思いません。日々の自事で成果を出せているのは、むしろ広告代理店で過ごした日々があったからです。

広告代理店ではクライアントの競合や、市場分析なども踏まえた幅広い提案をしていたため、消費者と同じ目線に立ち、クライアントを「数ある会社の1つ」として捉え、俯瞰的な視点で見る必要がありました。案件を進める際は「世間からどう見えているのか」を前提に置き、外からの視点を生かした提案を心がけていたのです。

この経験が、バイアスをかけずにZOZOTOWNというサービスを考えることに生かされています。
例えば、ZOZOTOWNと他社がコラボレーションしたときのこと。「私たちはこんなに面白い会社ですよ!」といった姿勢も大事ですが、「世間から見たZOZOTOWNはこのようなサービスなので、御社とはこのような企画が合うはずです」と等身大の提案ができたことによって、Win-Winなプロジェクトにすることができました。

世間の目を知っているからこそ、自己完結な施策ではなく、他部署やブランド様の意見も反映しつつ、お客様の視点にチューニングし案件を推進できているのは、広告代理店出身であることの強みです。

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視点の違いが起こす化学反応

ZOZOには前例がないことでも果敢に挑戦するカルチャーがあります。「面白そうならやってみよう」と、スタッフの提案をひとまず受け入れてくれる創造の精神を強く感じます。

特に印象に残っているのは、2023年に開催したブラックフライデーセール。4日間で15万点以上のアイテムが95%オフになるというだけでなく、ZOZOTOWNが厳選した人気の計32ショップが、1ショップずつ数時間ごとにセールになる企画です。

この企画は、実はデザイナーから提案したものでした。2022年にアイデアを構想し、1年がかりで形にしています。デザイナーだけではなく、それぞれの部署の様々なアイデアをマージしたことによって完走できた施策でした。

スタッフ起点のアイデアを一大企画として実現したこのキャンペーンは、まさにZOZOのカルチャーを象徴するものです。

挑戦することを応援する文化が根付いたZOZOには、やはり挑戦を望むスタッフが集まってきます。私たちは自分なりのアイデアやサービスの理想形を持っていて、熱量があるからこそ一人ひとりの意見が表面化して見えてきます。

時に視点の違う熱量の高いスタッフが集まると意見が食い違う場面もあります。しかし、個人的にはそれこそが良い環境の証であり、一人ひとりの自事(※)が単なる「たし算」ではなく「かけ算」になり、化学反応が生まれていると感じます。このような多角的に意見を吸収できる環境はとても魅力的であり誇れるポイントです。私たちの業務には愛情がないと生まれないアイデアや遂行できない案件がありますが、ZOZOには自事に愛情を持ってそれらをやり遂げる人が多いです。そんな環境でこれからどんな化学反応が生まれるのか楽しみです。

(※)ZOZOでは、仕事のことを「仕事(仕えること)」ではなく「自事(自然なこと)」であるという意味を込めて、「自事」と表記します。

他者視点発想で、世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。

私は他者視点発想で、企業理念である「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」の実現に貢献したいと思っています。

私は「デザイナー」という職業を、視点を掌握する自事だと定義しています。

優れたクリエイティブを生み出すには「自分がつくりたいものだけをつくる」のでは不十分で、「生活者の視点」「ブランド様の視点」「一緒に働く仲間の視点」……と事業に関わるステークホルダーの視点を取り入れる必要があるからです。

言葉で言うのは簡単ですが、ステークホルダーたちの視点に思いを馳せ、右往左往し、スクラップ & ビルドを重ねながら、シャープなクリエイティブを目指します。「シャープなクリエイティブ」は事業の個性となり、これを生み出し続けることが、サービスのファン獲得につながっていると思います。まずはZOZOが“カッコいい”を体現することが、この企業理念の第一歩になると考えています。

ZOZOにはクリエイティビティを持ったスタッフが多く、それゆえ無数の視点が存在します。そんなある視点とある視点が遭遇することで、頻繁に創発が起こり得る会社です。目まぐるしく日々何かを世の中に仕掛け続けるZOZOは、デザイナーとして大きく成長できる環境だと思います。

これからZOZOの仲間になっていただくみなさんは、私たちにとって新たな「視点」です。私もみなさんにとっての新しい「視点」になれるよう努力するので、お会いした際は、ぜひ一緒に“ソウゾウのナナメウエ”をいくデザインを生み出していきましょう。

CDO室 / 2021年中途入社

河路 潔

大手広告代理店でアートディレクターとしてのキャリアを積み、2021年にZOZOに入社。現在はプロモーションデザイン部で主に、「ZOZOWEEK」といった大型施策の企画から、テレビCMのディレクション、バナーやLPのデザイン制作まで多岐にわたる業務に携わる。趣味は、キャンプ、バスケ、映画鑑賞。

デザイナー(サービスデザイン)は現在採用募集中です