企業情報

廣瀬 文慎

INTERVIEW

HIROSE Fuminori

Director, COO

「銀行員らしさに縛られない」廣瀬文慎の新人時代

- 新人時代について、教えてください。

斜に構えた新人でしたね(笑)。

ファーストキャリアは銀行員だったのですが、王道の「紺色スーツに白シャツ」ではなく「グレースーツにピンクのシャツ」を着るなど、“普通の銀行員ではありません感”をムダに出していました。

もちろん、仕事には一生懸命でしたが、「銀行員らしさ」みたいなものに縛られるのは嫌だったんです。上司に小言を言われながら、それでも自分のスタイルを貫いていました。

銀行員として過ごした4年間は、ビジネスパーソンとしての基礎をつくってくれた時間です。特に3年目を過ぎた頃から、一人前のビジネスパーソンとはなんたるかを厳しく叩き込んでもらいました。

「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」ではないですが、手取り足取り教えるのではなく、自分の頭で考えることを大切にする上司のおかげで、今の自分があると思っています。

どのような業務であっても、クオリティにこだわり続けられているのは、当時の経験があったからこそです。

- 社会人生活の中で培った、自事(※)のポリシーについて教えてください。

「対話」が私のポリシーです。

ZOZOに入社してから、会社が成長するにつれ、マネジメントするスタッフの数が増えてきました。すると、どうしても現場と接点を持つ機会が減ってきてしまうんです。ただ、現場の声を聞かずして、マネジメントがうまくいくことはありません。

また、多くのブランド様と協業するにあたり、信頼関係を構築するためにも対話は必要不可欠です。ZOZOがこれからどのような世界を目指すのかをしっかりと伝え、そこに共感していただかないことには、一緒にお客様に幸せを届けながら、お互いにとってのメリットを最大化することはできませんから。

これまでも、対話を通じて、いくつもの困難を乗り越えてきました。これからもきっと、対話を通じて、描いている世界を実現していくのだと思います。

  • ZOZOでは、仕事のことを「仕事(仕えること)」ではなく「自事(自然なこと)」であるという意味を込めて、「自事」と表記します

「マザーズから東証一部へ」
見たことのない景色を求めた旅

- ZOZOでの忘れられない一日について、教えてください。

東証マザーズから東証一部へ指定替えした際のプロジェクトが印象に残っています(※現在は東証プライム市場)

プロジェクトは想像以上に大変で、無事に指定替えを実現した日には、とにかく「やりきった」という達成感で一杯でした。

私は「もういらないよ」と言われるまで会社に居続けようと思っているくらい、ZOZOが好きなんです。自分の時間を目一杯使って、大好きなZOZOのスタッフ全員で、見たことのない景色を見に行こうと挑戦したプロセスは、今でも財産になっています。

“Made for You”なZOZOTOWNへ

- 10年後のZOZOは、どうあるべきだと思いますか?

今と変わらず、お客様に満足と幸せをお届けする企業でありたいと思っています。ただ、スタイルは変わってもいいはずです。

現在「ZOZOTOWN」では、ファッションだけでなく、コスメなどの多様なカテゴリーのアイテムも取り扱っています。今後、ますます領域を拡張していく予定です。

さらに、ただ欲しいアイテムを購入してもらうだけではなく、こちらから一人ひとりのお客様にぴったりなアイテムをレコメンドしていくようなサービスに進化させていきたいと思っています。

そのために私にできることは、部署間の連携をスムーズにしたり、経営と現場をつなぐ架け橋になったり、組織の潤滑油になることです。

奇想天外なアイデアを生み出すことは得意ではないので、それは感性豊かなスタッフたちに任せ、着実に組織を成長させる役割に徹したいなと考えています。

- 2022年、新たに「ワクワクできる『似合う』を届ける」を経営戦略に追加しました。廣瀬さんにとっての「似合う」とは、どのようなものでしょうか。

自分が着ていて、良い気分になれること。そして、周囲の人から見ても「素敵だね」と思ってもらえること。この二つを満たすファッションが「似合う」だと思います。

私の話をすると、とりわけいつも着る決まったブランドがあるわけではないのですが、担当しているブランド様のアイテムを着る機会が多いので、テイストもよく変わるんですね。「今日は何を買おうかな」と考えているときに、ビビッとくるアイテムに出合うと、すごくテンションが上がります。

そのアイテムを着た日に、スタッフから「似合ってますよ」と声をかけてもらうと、さらにテンションが上がるんです。

どんなファッションで着飾ってもいいのですが、やはり周囲の人にも評価をしてもらえると、本当の意味での「似合う」を味わえるのではないかと思っています。

支えてくれる仲間たちに感謝

- お気に入りの自事道具について、教えてください。

取締役に就任した際に、後輩がプレゼントしてくれた「BRIEFING」のリュックです。

自分の役割と責任が大きくなったことに対して、後輩が私以上に喜んでくれたことが、とにかく印象に残っています。

かれこれ一年間、このバッグを毎日手に取るたびに、「日頃からたくさんの人に支えられているから、現在の私がいるんだ」ということを思い出しています。